美人秘書はCEOのお気に入り

でも、サラがニューヨークにも行くようになると、若い時のと言ってもまだ4年位前の話だがローランドの恋人の話がよく耳に入るようになった。

かなりのプレイボーイだったようだ。この容姿でこの地位なのだ。女など履いて捨てるほど寄ってくるだろう。それも極上のハイソサエテイや有名人が…

今のローランドからは想像できないけれどネットで見ると、極上の美女やセレブのご令嬢との恋が噂されていた。

ネットには当時の写真もたくさん載っていた。

財閥グループ企業のイケメン総帥と噂になる女性達とのツーショットは華麗でとてもお似合いの美しい恋人たちだった。

シアトルに居る時はローモアカンパニーのCEOで自分の上司という意識しかなかったが、ニューヨークに来るようになり、ビィステイモアグループの総帥という立場のローランドを見るにつけその立場の大きさや世間からの注目度もけた違いなのだと実感する。

サラは自信を無くしていった。

もちろん自分がビィステイモアグループの総帥とどうなるわけでもないし、釣り合いの取れていないことは承知しているのだが、ローランドの優しさについ勘違いしそうになるのだ。

サラはそんな自分を戒めながらローランドへの気持ちに蓋をしなければと思うのだった。

ニューヨークのローランドの執務室にむかしの恋人と名乗る女優やモデルが電話をかけてきたり、直接ローランドに会いに来たりするようになった。

サラはそんな時そっと席を外してCEOのニューヨークの執務室からいなくなるのだった。

そしてサラはそんなローランドの過去の恋人たちがまたローランドとやり直したいと思っているのを、ひしひしと感じて自分はどう対応すればいいのかよくわからなかった。

ビィステイモアグループの総帥のローランドに自分は相応しくないのはよくわかっているのだが“CEOのお気に入り”と言われて浮かれている自分に嫌気がさすのも、ローランドの過去の恋人たちに睨みつけられる時だった。

何もかも自分には敵わない相手がサラの事をまるで仇のように睨みつけて、いじわるする意味が分からない。

コーヒーを運んでいる時に足を引っかけて見たり、わざとコーヒーをこぼしてさもサラの所為のように言われたり、さんざんなのだ。

ローランドの執務室から出ても行くところのないサラは手持ち無沙汰で、結局1階のエントランスの受付近くにあるソファーに座って時間をつぶすのだった。