美人秘書はCEOのお気に入り

両親は5年前にニューヨークに旅行に行って殺されたのだ。

両親の最期を想うとまだ泣けてくるが、死後5年という節目の年にたまたまシアトルに引っ越してきたと言うより逃げてきたのだが…

2人のハネムーンがカナダのビクトリアであったことを思い出して、その後をたどってみたくなったのだ。

両親は父リッキーが日本の大学に留学していた時に知り合って恋に落ちた。

母幸恵(さちえ)は18歳の時に両親を亡くし妹の由美(ゆみ)と二人で支え合って生きてきたといつも話していた。

結婚後しばらくは日本に住んでいたが、サンフランシスコの商社にリッキーの就職が決まり妹の由美も一緒にサンフランシスコに移り住んだのだ。

そしてサンフランシスコに落ち着いたころ父のお休みの日に2泊3日のハネムーンに出かけたのだが、それがカナダのバンクーバーとビクトリアだったらしい。

母はブッチャートガーデンに行きたかったのでとても嬉しかったのだとサラによく話してくれた。

ブッチャートガーデンの写真をたくさん撮って来たのでそれを一枚一枚見ながら、花の名前を教えてくれたり変わった葉っぱの木の名前を教えてくれたりその話をするときの母はとても幸せそうだった。

叔母の由美はとてもしっかりした人で、日本で調理師の免許を取っていたので、それを武器にセレブのお抱えシェフに雇われて住み込みで働いたりもしていた。

おりしも健康食ブームで、和食のローカロリーで体にいい美味しい食事を作る由美は引っ張りだこだったらしい。

ロスのビバリーヒルズに住む豪邸に住み込んでシェフとして働いてからはロスにずっと住んでいる。

そしてパートナーでイタリア人のシェフのリカルド・ロッシーニと出会い高級イタリアンのレストラン“オッテイモ・ピアット”を二人で始めたのだ。

ロサンゼルスにあるそのレストランは超人気店となり、予約も3か月待ちという盛況ぶりだ。

由美は結婚するつもりはないので今でもリカルドとは籍を入れていないが、とても仲の良いパートナーだ。

船を降りるとお昼頃だったので、ネットで人気のイタリアンのカジュアルなレストランで昼食を取る事にした。

港を見渡せるテラス席に座って海鮮パスタをオーダーした。

貝柱やエビに牡蠣も入っていてとても美味しかったので、写真を撮って味の感想と共に由美に送った。

さわやかな風の吹くテラス席で海を眺めながらおいしいパスタと温野菜サラダにデザートにはテイラミスも付くランチセットでお味もお値段も納得のいくものだった。