美人秘書はCEOのお気に入り

由美はこの時始めてローランドに会ったのだが、ローランドがサラを見る目を見るとサラに恋しているのは一目でわかったが、サラはたぶん全然気づいていないだろうなあと思った。

サラはほんとに鈍感なんだから、自分がとても魅力的な女性だという事もわかっていない。自己評価が低すぎるのだ。

由美はサラが愛おしい。たった一人の自分の家族で大好きな姉の忘れ形見だ。

自分自身は結婚して子供を持つと言う事を選択しなかった。

リカルドとパートナーとしてレストランを二人で運営していく事に全力を傾けたのだ。

由美にとってはこのレストランが自分たちの子供のような存在なのかもしれないとこの頃考える。

困難な事も沢山あったけれどリカルドと二人でいつも乗り越えてきた。

今では3ケ月先まで予約はいっぱいだ。ありがたい事だ。

サラが依頼してきたラーメンの開発は由美にとって楽しい仕事になった。

ローランドはしっかり開発費をくれると言ったし、何より新しい味を作るのは料理人にとってはとても気分が上がる事なのだ。

そしてこのプロジェクトが始まってサラは何度もロスにやって来てくれたので、この頃はサラと会うのが頻繁になって、サラも由美もローランド様々だと喜んでいた。

純粋で初心で母親の死のトラウマで男性不信のようになってしまっているサラに、新しい恋ができるといいのだけれどと願う。

サラはローランドの事はとても信頼しているようだし何かに夢中になっているとローランドに肩を抱かれても嫌ではないようだと言うよりそんな事を忘れているように見える。

ローランドもサラには気を付けて接してくれているのが分かる。

とても大切にしてくれているようだ。

由美はただビィステイモアグループの総帥という立場のローランドにサラが尻込みするだろう未来も見えていた。

自分はローランドに相応しくないと身を引くパターンしか考えられない。サラはそう言う人なのだ。

そこはサラが乗り越えるしかないのだが、3年位前まではローランドはプレイボーイとして名をはせていた。

どこまで本当なのかはわからないがネットには女優やモデル、実業家の令嬢との、ツーショットが溢れていた。

もしもサラがローランドに恋したらこれを見て傷つくだろうと心配した。

由美はサラが傷つくのは耐え難い。

両親の死でどれだけサラが傷ついて心を壊しそうになったのかを近くで見ていたからだ。

でもサラは無意識なのかもしれないがローランドに惹かれているように見える。

近頃では“CEOのお気に入り”と言われているのも享受しているようだし…

とにかく二人の行く先にサラが傷ついた時自分が一番のサラの味方である事だけはサラにわかっていて欲しいと願う由美だった。