美人秘書はCEOのお気に入り

プライベートジェットはすごい。

それを持ってる人はフェリーには乗らないだろうとサラは次元の違う感想に頭の中は??のマークが一杯だった。

「とにかくカタマランは悪天候にも弱いと聞きますから、少し時間はかかっても、大きめの船で船内で充実した時間が過ごせるようにするのはどうでしょう?お仕事でビクトリア迄行く人は少しでも早い方が嬉しいでしょうが、ビクトリア観光がメインの人なら、例えば3時間かかっても船内で楽しめるほうがいいと思うんです。船旅を楽しめるようなそんな施設のあるフェリーを就航させるのはどうですか?」

「そうだな、高速フェリーよりも少し値段を下げても、船内のレストランなどでお金を落としてもらうとその方が収益にはなるな」

ローランドは思考の切り口が変わって思いもしていなかった提案に驚いた。

「さすがサラは目の付け所がすごいな。マックが褒めるのも納得だ。じゃあこの方向でプロジェクトチームを招集しよう。午後の訪問が一つあったはずだからそれが終わったらミケルとマックとロンに来てもらって人選を任せよう。船の選定もしなければいけないし、中にレストランなどを作るのも時間がかかるはずだ。

「就航はいつ頃を目処にと考えていらっしゃるのですか?」

「1年か1年半後かな。その辺もプロジェクトチームで打ち合わせしよう。サラはどんなレストランがいいか考えてみて、船の中なんだから時間帯によってもメニューは違ってくるのかなあ?」

「それもありますし、今ある船のどれにするのかも考えないといけないですよね。中を改装するのも時間がかかるでしょうし…」

「サラは新しく船を作ると言う発想はないんだな?」

「1年か1年半後とおっしゃったので、新しく船を作るなら全然間に合わないですよね。CEOの中では大体の船を決めているか他から調達するかのどちらかだと思いました」

「サラは読みが深いな。僕の返答からそんな事をきちんと導き出すんだな。すごいよ」

「う~~ん、秘書はそう言うものだと教えられました。上司の話の中に大切なヒントや思考があるのだからそれをきちんとくみ取らなければいけないと…」

「そうか、前の会社の教育に感謝だな。お陰で優秀な秘書を手に入れられた。サラ、これからよろしく頼むよ。頼りにしている」

そう言うとCEOは他社の訪問に出かけて行った。

サラが同行しなくてもいいのかと聞くと、今日は大丈夫なのでこの後のプロジェクトチームを作るための会議の設定を頼むと言われた。

CEOはそれから1件の会社の訪問を終えて3時には帰社するので、CFOで副社長のミックとサラの上司だったマックに貿易の方を担当するロンの3人に3時半からのCEOとの会議のアポを取った。

だいたいの内容をそれぞれに伝えて、会議のレジュメもざっくりと作っておいた。

指示されなくても必要だと思うものを用意するのも秘書の仕事だと思っているのだ。