美人秘書はCEOのお気に入り

ローランドはデザートを見てにこにこしているサラを見て、思わず口角を上げた。サラが可愛すぎる。

ローランドはサラに出会ってからどこの誰かもわからないのに、いやだからかもしれないが、サラの泣き顔が頭から離れないのだ。

昨日この執務室のドアを開けたらそこにサラが立っていた。

魔法かなんかなのか?なんでもいいとにかくまたサラに出会えた。運命の神に感謝だ。

その上秘書としていつも一緒にいられるようになり、この上ない喜びだが、サラの境遇とトラウマの話を聞いて、気を付けないと嫌われて、辞められては困るので心して接していくつもりだ。

執務室内は広く。ローランドと二人だとしても気に病むことは無いはずだ。

室内にはソファーとダイニングテーブルもある。

ここで少人数で会議をするときもあるからだ。

役員会や取引先のトップ会談をするときにもここを使う。

7階にも応接室や会議室はあるのだが、この部屋で窓の雄大な景色を見ながら話をするとなぜだかこちらの思うように話を進めていけるので重要な会議はここでやる事が定番になった。

壁一面の窓から見える海のお陰かもしれない。海にはパワーがあるといつもローランドは思っているのだ。

広い部屋には、ローランドのデスクに秘書のデスク、コピー機も秘書のデスクの後ろにあり、L字型の大きなソファーにダイニングテーブルに少し仕切られたところには小さなキッチンもあるのだ。

キッチンの横にドアがあり、そこからボデイガードたちが控えている部屋にも行ける。

ボデイガードの控室にはこの執務室のモニターがある。会議の相手などが暴力をふるう場合も考えて会議の間は室内をモニターで見てくれている。

また執務室の廊下側のドアもモニターで監視していると言う念の入れようだ。

執務室のドアは自動で施錠されるのだが、開閉はローランドと秘書の机からできるようになっている。

ここまで厳重な警護体制が惹かれているのは、過去に何度も誘拐されそうになったからだ。

幼児の頃から誘拐未遂は両手の指で数えられないくらいだ。

だから小学生くらいになると、ケンドーと二人で格闘技や護身術を習わされた。

ケンドーは着る服もローランドと同じような高級なものを着せられていた。

どっちがローランドか判断に迷う少しの間が生死を分けるのだ。

ビィステイモアグループにはローランドしか後継ぎはいない。

誘拐すれば多額の身代金が手に入る。

また後継者を守る意味でも、ローランドには警護が張り付くのだ。

それは子供の頃からなので慣れたとはいえ、不自由で鬱陶しいものだ。

大人になってボデイガードの人数も少なくなってきて、目につくような警護はしない優秀なものが付くようになったが…

自分の立場上仕方が無いと諦めているローランドだが、サラとの時間だけは邪魔されたくない。

サラに自分を好きになってもらうのにこれから頑張らないといけないのだ。

ローランドは警護主任に自分の胸の内を話して、配慮してくれるように頼んだ。