美人秘書はCEOのお気に入り

CEOはすぐにマックに内線で連絡をして、午前中サラはCEOの執務室にいると伝えた。

“さあ、話して“と言われて、唖然としてしまった。

さすがCEOは時間を無駄にしなかった。

サラは両親の死、特に母の悲惨な最期についても話した。

あんな風に女性を痛めつけて快感を得ると言う男性の性的衝動に嫌悪感というか憎悪を抱いた。

そしてそれからは男性に触れられるのが怖いのだと正直に話した。

そういう人は異常なのだとわかってはいるのだが、あまりに母の姿が痛ましく心を壊してしまっていた母が哀れで男性を信じられなくなったのだ。

だから前職での担当役員のセクハラは、サラにとって毎日がストレスで耐えられなくてロスからここシアトルに逃げてきたのだと言った。

そう言う訳だからCEOにも気を遣わせることになるかもしれないし接待やビジネスデイナーの時にも、相手に嫌な思いをさせてしまうかもしれないと思うと、責任をもって”イエス“とは言えないとサラは訴えた。

黙って聞いていたCEOはサラが話し終えると

「よく話してくれたね。辛いだろうにありがとう。大丈夫、他の男から僕が守るよ。サラには指一本触れさせない」

“ええっ、それってなんだか意味が違っているのではないのでしょうか?よくわからないけれど…CEOが秘書を守るってこと自体が少し話が違うような、気もするんですが…”とは言えなくて、どうしたものか逡巡しているうちに、

「じゃあ今日からこの部屋のあの机がサラの机だから荷物を全部持ってきて」

と何とも晴れ晴れしたお顔で宣わっているCEOに、首をかしげながらも

「わ、わかりました」と小さく呟いて執務室を後にした。

CEOに押し切られた感は否めないが、これほど望んでもらえるのならば頑張ってみようと思った。

そして男性不信気味なのと,知らない人にあまり距離をつめ過ぎられると恐怖を覚えるのだと言う事も、わかってもらえたようでよかった。