美人秘書はCEOのお気に入り

この会社がスタートした時にCEOの秘書もいたのだ。

だがCEOに媚を売ったり仕事そっちのけで誘惑したりスケジュールも把握しているので、CEOの住まいにまで押しかける秘書もいた。

5人までとっかえひっかえしたがそれでCEOは秘書を付けるのを諦めたのだ。

それからはニューヨークのビィステイモアグループの第一秘書のケンドーにローモアカンパニーのCEOのサポートもやってもらっていたのだ。

ケンドーの下にはもう2人秘書がいるので、何とかなっていたのだが、シアトルとビクトリア間に周航が決定すれば、今まで以上にCEOの決済は増えるし、スケジュールもタイトになってくるだろう。

仕事ができる秘書が必要になるのは明白だ。

マックは観念した。

「わかりましたよ。でもサラは前職のトラウマがあって、秘書の仕事は探してなかったんです。嫌がるかもしれませんよ」

「それは僕が説得する」

CEOが説得するなら決まったようなものだ。

この人の提案を蹴ることができる人などいるはずがないのだ。

実際にマックもニューヨークのビィステイモアグループ本社にいたのだがローモアカンパニーを作るにあたり結構な給料を提示されて引き抜かれてきた一人なのだ。

田舎育ちのマックにはニューヨークでの生活は息が詰まって来ていた頃だった。

それをCEOは見抜いていたのかもしれない。この人はそう言う人だ。

それで家族に無理を言ってシアトルに引越してきた。

ここシアトルに来れてマックはやっと自由に息ができると感じられて、CEOには感謝している。

妻や子供たちもシアトルが気に入っている。子供を育てるには快適な街ねとこの頃の妻は生き生きとしているのだ。

「成功を祈ります。ああ~っまた事務職の募集をしないと一からやり直しですよ」

マックは情けない顔で肩を落とした。

「すまない。頼むよ。男性でもいいじゃないか。女性がいいならパートで来てもらってもいいし、二人雇用すればいいこれから忙しくなるし」

「翻訳は、次の人が決まるまではサラにお願いしてもいいですか?」

「もちろんだ。余り負担にならないように配慮だけしてやってくれればサラもきっと協力してくれるよ」

マックは業務報告をすると少ししょんぼりとしながら部署に帰って行った。