美人秘書はCEOのお気に入り

サラはとにかく相手の素性を確認することにした。

「すみません。CEOは明日戻られる予定なので、ここには誰もいないのですが、どちらさまでしょうか?」

と丁寧に尋ねた。

ローランドは部屋に入って目の前の女性の顔を確認すると自分がつい先程まで頭に描いていた人が立っているのにびっくりして声が出なかった。

「あの…」と、遠慮がちに聞いている声にやっと反応して

「ああ、僕がCEOのローランドだ。一日早く帰ってこられたので、会社に寄ったんだ。君は誰?名前は?」

「まあ、そうなんですか。それは失礼いたしました。マックに言われてお部屋がきれいになっているか確認していた所です。ブラインドはどういたしましょうか?下ろしたほうが良いですか?」

「いや、ブラインドはいつも下ろさないんだ。ところで君名前は?」

「はい、2カ月前に採用されました。サラ・フライヤーと申します。マックの下で働いています」

「そうか、サラだね。改めてCEOのローランド・ビィステイモアだ。よろしく」

そう言うとCEOは右手を出して握手を求めてきたので、サラもそれに応じた。

社会人として仕事をするようになり、ビジネス的な接触やエスコートには嫌悪感を感じずに対応できるようになっていたのだ。

サラにとって最初は苦痛だったのだが秘書として働くうちに自分の自意識過剰な所もあるのだと気付き、それ以降は少しづつ慣れて来てビジネスと割り切れば普通の接触は何とかできるようになった。

サラはCEOの執務室を退室した。

その後すぐにマックが呼ばれた。

ローランドは2カ月余り留守にしていたので、業務報告を聞きたかったのだ。

その都度TV電話などで報告は受けていたが、その後の経過や新しい報告もあるだろう。

特にサラについて聞きたかった。