美人秘書はCEOのお気に入り

ローランドはそっと近づいてハンカチを渡してやった。

返してもらう必要はないと言って…

彼女は呆気に取られていたが、その手にハンカチを握らせて足早に立ち去った。

とても興味をひかれた女性だったが、今は双子の捜索の方が優先だ。

ローランドはそう思って、バラ園の隣の芝生の広場の方に行こうとした時ボデイガードの一人から見つけましたと言う連絡が来た。

ローランドは双子がいた売店に行くと、二人ともご機嫌でママやパパへのお土産を選んでいた。

双子にはしっかりとお説教をして、売店でお土産を購入して帰路に就いた。

ボデイガード達も疲れただろうにそんな素振りは一切見せない。さすがのプロ根性だ。

双子たちをバンクーバー空港でガラマンド家の迎えの車に乗せて、ローランドはそのままニューヨークへ向かった。

結構長い間シアトルの会社を留守にしているので、そろそろ戻りたいと思っている所だ。

機内でほっとすると、ブッチャートガーデンのバラ園ではらはらと涙を流していた彼女の顔が思い浮かぶ。

ダイニングではアフタヌーンティーを前に楽しそうに生き生きとしていたのに…

そして昨日の船の中では言い寄る男どもをことごとく冷たくあしらっていた。

そんな色々な顔を見せる彼女の事が頭から離れない。

もう二度と会えないと思ってはいるが、彼女の泣き顔が気に掛かる。

もしも彼女がローランドの運命の人ならきっとまた会える。結構自分はロマンチックだったんだと失笑した。

女が気に掛かるなんて初めての事で自分でも戸惑うが、それを振り払うように仕事のためパソコンを開いた。

ニューヨークに着くまでに一心不乱に仕事をこなして、なるべく早くシアトルに帰れるように仕事に集中した。

それからすぐに彼女と再会するとも知らずに…