美人秘書はCEOのお気に入り

ローランドは1年ほど前に自身の会社ローモアカンパニーをシアトルに作った。

30歳を過ぎたころから母親のキャサリンの結婚しなさい攻撃が激しくなってきたのだ。

その頃から女遊びをはじめプレイボーイと言われ始めた息子を心配しての事なのだが、

それにうんざりしたローランドがニューヨークを離れるために作った会社だ。

ニューヨークにいるとキャサリンが突然執務室にご令嬢を連れてやって来て食事に連れて行けと言ったり、ローランドの、ペントハウスにご令嬢を送り込んだりするので、それに嫌気がさしてニューヨーク脱出を図ったのだ。

それでなくてもニューヨークにいると過去の恋人や今の恋人が色々煩い。

ローランドは海と船が好きだ。シアトルの海運業と貿易の会社を買い取って、ビィステイモアグループの本社から何人か引き抜いて1年でしっかりと収益を上げるまでにしたのだ。

2つともビィステイモアグループにはない職種なのでやってみたかったと言う完全にローランドの思惑のみで作られた会社なのだが、ローランドはシアトルという町も気に入っているようで、月の半分くらいしかニューヨークには来ない。

それでも今はTV会議もできるので、何とか回っている。

グループとビィステイモア家の総資産は小さな国の一年の予算位あるだろう。それを決して減らさず増えるように考えて決済していかなければならない。父親も大変だ

ローランド自身の資産管理はケンドーが担当している。

投資の状況や増え続ける資産の税金をどうしたら少なく済むか等投資先の変更、買い付けなどなど、それだけでも仕事として時間が食われる。

その上にローランドの秘書としてビィステイモアグループの全米、アジア、欧州のそれぞれの担当者からの情報を精査してローランドに伝えてケンドーでは判断できない部分を判断してもらわなければいけないので、そこまでに持っていくのに一苦労なのだ。

ケンドーの配下には、ビィステイモアグループの管理部門、危機管理部門、情報統括部門等があり常にすぐに動けるように仕事をしている。

そのためケンドーはあまりニューヨークを離れられない。

今日は珍しくバンクーバーの北米地区の会議にローランドが足を運ぶと言うので、ケンドーも一緒に行くように言われたのだ。

きっとナッテイの旦那のハリーを見極めようとしているのかもしれない。

彼はローランドにとって、厄介ごとの一つなのだ。ナッテイの旦那でなければとっくの昔にお払い箱にしているだろう。