美人秘書はCEOのお気に入り

このブッチャートガーデンはブッチャート家が少しづつ庭を大きくして何代もの間受け継がれているのだそうだ。

現在もその子孫が運営していると言う。

広大なガーデン内は見どころがいっぱいで今は7月の初めでバラ園が見事なはずなので、十分にアフタヌーンティーを楽しんだ後サラはまずバラ園に向かった。

母はバラが大好きで自宅の裏庭にバラの小道と言ってアーチに蔓バラを絡ませて小道の両サイドにはグリーンと白のバラを配置していた。

一日中庭にいても飽きない人だった。トレードマークのつば広の麦わら帽子をかぶりせっせと花の世話をしていたのを思い出して微笑んだ。

バラ園は今が見ごろと咲き誇り甘い芳香に酔ってしまいそうだ。

サラは道の所々に置かれているベンチに座り目の前のバラを鑑賞していた。

キャップとサングラスを取ってバラに敬意を表した。

その時道の向こうから高齢の夫婦が仲良く手を繋ぎながら楽しそうにやってくるのが見えた。

サラは両親もあの年頃になり父がリタイアしたらまたここに二人で来ていただろうと思いながら二人を見つめていた。

サラの両親もいつも手を繋いでいたのを思い出した。

父は母と手を繋ぐのが好きで、普通は子供が真ん中で3人で手を繋ぐのだろうに、フライヤー家では母が真ん中で3人で手を繋ぐのだ。

家の中でもいつも二人はぴったりと寄り添ってソファーに座って、それぞれ別々な事をしているのだ。

子供の頃はそれが当たり前だと思っていたのだが、テイーンエイジャーになるとそれが当たり前ではなくて、仲が良すぎる夫婦の姿なのだと知った。

フライヤー家では夫婦げんかもなかった。

父は優しい人で声を上げる事もなくサラを叱る時も、静かに言い聞かせて何がいけなかったのかを延々と話して聞かせるのだ。

大きな声でガーンと叱られた方がすっきりするのにと思ったりもしたが、父は長いお説教をするのだった。