「……それだけじゃありません」
低く、重い声でセナが言った。
「お嬢様」
その呼びかけに、胸が嫌な予感で締めつけられる。
セナは一枚の資料を取り上げ、無表情のまま告げる。
「ここには、はっきりと記されています。
――お嬢様の力も、利用するつもりだったと」
「……え……?」
「ガイルでは成し得なかった“完全な器”。
それをディラン殿下で完成させ、
さらに――不老不死を実現するために」
セナの視線が、まっすぐに私を射抜く。
「そのための“鍵”として、
お嬢様を使う計画だったのでしょう」
言葉が、胸の奥に突き刺さる。
私の力。
ディランの存在。
すべてが――
最初から、歪んだ目的のために用意されていた。



