王国創立記念式典パーティーまで、あと3日。
騎士団合宿も、気づけば折り返しだ。
(当日の動き、もっと詰めないと)
潜入ルート。
警備の配置。
万一の撤退経路。
ディランへの共有事項――。
そんなことを考えていた、その瞬間。
背後から、ふわりと腕が回された。
「……っ」
「やあ、ティアナ」
低くて、耳に触れるほど近い声。
続くように、くすっと笑う。
「――いや、今は“ソラ”だったな」
(ば、ばれてる……)
「まさか男装で来るとは思わなかったよ」
「えっと……い、いつから気づいてたんですか?」
恐る恐る尋ねると、
「剣を交えた時かな」
「わりと、すぐですね!?」
思わず声が裏返る。
ディランは楽しそうに目を細めた。
「分かるさ。君のことは――ずっと見てる」
「へ、へえ……」
胸の奥が、熱く跳ねる。
そして、さらに距離が縮まった。
耳元に落ちる、甘い囁き。
「それに……そろそろ、足りなくなってきただろう?」
「……な、何がです?」
一瞬の沈黙。
ディランはわざとらしく首を傾げてから、微笑む。
「俺、に決まってる」
「……っ」
言葉が出ない私を見て、
彼は満足そうに目を細めた。
「無理してる顔、してるぞ。……会いたかったんだろ?」
(……ばれてるのは、正体だけじゃない)
逃げ場のない距離で、私は小さく息を呑んだ。
騎士団合宿も、気づけば折り返しだ。
(当日の動き、もっと詰めないと)
潜入ルート。
警備の配置。
万一の撤退経路。
ディランへの共有事項――。
そんなことを考えていた、その瞬間。
背後から、ふわりと腕が回された。
「……っ」
「やあ、ティアナ」
低くて、耳に触れるほど近い声。
続くように、くすっと笑う。
「――いや、今は“ソラ”だったな」
(ば、ばれてる……)
「まさか男装で来るとは思わなかったよ」
「えっと……い、いつから気づいてたんですか?」
恐る恐る尋ねると、
「剣を交えた時かな」
「わりと、すぐですね!?」
思わず声が裏返る。
ディランは楽しそうに目を細めた。
「分かるさ。君のことは――ずっと見てる」
「へ、へえ……」
胸の奥が、熱く跳ねる。
そして、さらに距離が縮まった。
耳元に落ちる、甘い囁き。
「それに……そろそろ、足りなくなってきただろう?」
「……な、何がです?」
一瞬の沈黙。
ディランはわざとらしく首を傾げてから、微笑む。
「俺、に決まってる」
「……っ」
言葉が出ない私を見て、
彼は満足そうに目を細めた。
「無理してる顔、してるぞ。……会いたかったんだろ?」
(……ばれてるのは、正体だけじゃない)
逃げ場のない距離で、私は小さく息を呑んだ。



