「あれ……?」
視界の端で、違和感が引っかかった。
「……罪人?」
王国騎士団に挟まれ、
手を拘束された人物が裏手へ連れていかれている。
(式典前に、こんな動き?)
気づけば、体が勝手に動いていた。
音を立てないよう距離を保ちつつ、
すっと後を追う。
近くの木に飛びつき、
枝を伝って上へ。
葉の隙間から、下を覗き込む。
「……え」
見えたのは――
「殿下じゃん」
ディラン殿下。
それに、側近のレイさん。
そして。
「あの女の人……?」
どこかで見た顔だ。
(えっと、えっと……)
記憶をたどる。
「……あ! ローゼ、だっけ?」
ユウリが持ってた資料に載っていた、婚約者候補のひとり。
その瞬間。
――ローゼが、殿下に抱きついた。
「えっ」
「ちょ、近っ」
「殿下、それ浮気じゃない!?」
全力ツッコミ。
(顔、近い近い近い!)
「お嬢さんが悲しむやつー!」
……と思ったのも束の間。
殿下の表情は、甘くない。
(……あれ?)
空気が、思ってたのと違う。
「……真実、確かめないと」
そう決めた時には、
3人はすでに部屋の中へ消えていた。
「うわー……外からじゃ聞こえない」
扉は閉まり、声も漏れない。
(中、入れないかな)
周囲を見回し――
「……あ」
すぐ上。
「ベランダ、あるじゃん」
木の枝から身を翻し、
音もなくベランダへ移動する。
息を潜め、
そっと中の様子を探った。
視界の端で、違和感が引っかかった。
「……罪人?」
王国騎士団に挟まれ、
手を拘束された人物が裏手へ連れていかれている。
(式典前に、こんな動き?)
気づけば、体が勝手に動いていた。
音を立てないよう距離を保ちつつ、
すっと後を追う。
近くの木に飛びつき、
枝を伝って上へ。
葉の隙間から、下を覗き込む。
「……え」
見えたのは――
「殿下じゃん」
ディラン殿下。
それに、側近のレイさん。
そして。
「あの女の人……?」
どこかで見た顔だ。
(えっと、えっと……)
記憶をたどる。
「……あ! ローゼ、だっけ?」
ユウリが持ってた資料に載っていた、婚約者候補のひとり。
その瞬間。
――ローゼが、殿下に抱きついた。
「えっ」
「ちょ、近っ」
「殿下、それ浮気じゃない!?」
全力ツッコミ。
(顔、近い近い近い!)
「お嬢さんが悲しむやつー!」
……と思ったのも束の間。
殿下の表情は、甘くない。
(……あれ?)
空気が、思ってたのと違う。
「……真実、確かめないと」
そう決めた時には、
3人はすでに部屋の中へ消えていた。
「うわー……外からじゃ聞こえない」
扉は閉まり、声も漏れない。
(中、入れないかな)
周囲を見回し――
「……あ」
すぐ上。
「ベランダ、あるじゃん」
木の枝から身を翻し、
音もなくベランダへ移動する。
息を潜め、
そっと中の様子を探った。



