「ジョルジュ陛下は、ディランの祖父よ。……家族なの」
そこで一度、言葉を切った。
「証拠もないまま疑って、不安にさせたくない」
短いけれど、揺るぎない本音だった。
「……まあ、わかるけどさ」
レオが、少し不満そうに口を尖らせる。
「もしかして……」
セナが一歩踏み出し、真っ直ぐにこちらを見る。
「面と向かって話せない理由でも、ありますか?」
逃げ場のない視線。
さすが…鋭い。
その問いに、アリス、ルイ、そして――なぜかテオまでが、同時に視線を逸らした。
「……ちょっと、喧嘩中」
観念してそう言った。
「え!? 喧嘩ですか!? だめですよー、仲直りしなくちゃ!」
レオが勢いよく食いつく。
「まあまあ、レオちゃん。落ち着いて」
ルイが肩を軽く叩いてなだめる。
「そうです。むしろ、このまま婚約破棄でもいいと思います」
アリスがさらりと言い放つ。
「それ名案、アリス。あいつが悪い」
誰かが続け、場が一気に騒がしくなる。
――わちゃわちゃし始めた。
「と、とにかく!」
私は慌てて声を張った。
「潜入するために、計画つめさせて!」
その一言で、場の空気がようやく落ち着きを取り戻した。



