セナは、食らいついていた。
弾かれても、すぐに間合いを詰め直し、
一歩も引かずに剣を振るう。
(……すごい)
さっきまで圧倒されていたはずなのに、
今は――十分に渡り合っている。
木剣がぶつかり合い、乾いた音が連続して響く。
「おい……」
「殿下に、あそこまで――」
周囲の騎士団員たちも、完全に息を呑んでいた。
ディランの表情が、ほんのわずかに楽しげに緩む。
(認めてる……)
そう確信した、その瞬間。
「――殿下」
低く、しかし切迫した声。
側近のレイさんが、訓練場へと歩み出てきた。
ディランの動きが、ぴたりと止まる。
「どうした?」
「急ぎの案件です。
今すぐ、ご確認を」
レイさんの表情は硬い。
ただ事ではない。
ディランは短く息を吐き、木剣を下ろした。
「……そうか」
そしてセナへ向き直る。
「セナ、すまない」
「いえ」
セナもまた、深く頭を下げる。
「次は――邪魔の入らない場所で、だな」
「そうですね」
ほんの一瞬。
ディランの視線が、こちらへ流れた気がした。
(……気のせい?)
けれど、その目は何も語らない。
「では」
それだけを残し、ディランはレイさんと共に颯爽と去っていった。
残された訓練場には、
ざわめきと、言葉にできない緊張だけが残る。
(……嫌な予感しかしない)
弾かれても、すぐに間合いを詰め直し、
一歩も引かずに剣を振るう。
(……すごい)
さっきまで圧倒されていたはずなのに、
今は――十分に渡り合っている。
木剣がぶつかり合い、乾いた音が連続して響く。
「おい……」
「殿下に、あそこまで――」
周囲の騎士団員たちも、完全に息を呑んでいた。
ディランの表情が、ほんのわずかに楽しげに緩む。
(認めてる……)
そう確信した、その瞬間。
「――殿下」
低く、しかし切迫した声。
側近のレイさんが、訓練場へと歩み出てきた。
ディランの動きが、ぴたりと止まる。
「どうした?」
「急ぎの案件です。
今すぐ、ご確認を」
レイさんの表情は硬い。
ただ事ではない。
ディランは短く息を吐き、木剣を下ろした。
「……そうか」
そしてセナへ向き直る。
「セナ、すまない」
「いえ」
セナもまた、深く頭を下げる。
「次は――邪魔の入らない場所で、だな」
「そうですね」
ほんの一瞬。
ディランの視線が、こちらへ流れた気がした。
(……気のせい?)
けれど、その目は何も語らない。
「では」
それだけを残し、ディランはレイさんと共に颯爽と去っていった。
残された訓練場には、
ざわめきと、言葉にできない緊張だけが残る。
(……嫌な予感しかしない)



