ディランの気配が、はっきりと変わった。
(……来る)
次の一歩。
踏み込みの質が、これまでとはまるで違う。
木剣が一直線に――こちらの芯を貫きに来た。
(試してる……!)
考えるより先に、体が動く。
踏み込み、剣を弾き、角度を変え――
「……っ」
一瞬、ディランの体勢がわずかに崩れた。
ざわっ、と訓練場が揺れる。
「今の……」
「見たか?」
「殿下の剣、流した……?」
(しまった)
完全に、反応してしまった。
次の瞬間。
「――なるほど」
低く、静かな声。
ディランの表情から、余裕の笑みが消える。
(やば……本気)
重い一撃が来た。
木剣同士がぶつかり合い、手元に衝撃が走る。
受けきれない。
踏ん張る間もなく、剣を弾き飛ばされ――
「くっ……!」
体勢が崩れ、背中から地面に倒れ込んだ。
喉元に、木剣がぴたりと止まる。
「……ここまでだ」
訓練場が、静まり返った。
「負けました」
息を整えながら告げる。
ディランはしばらく私を見下ろし――
ふっと、口元を緩めた。
「面白い。新人とは思えない動きだった」
(やめて、褒めないで……)
周囲の騎士たちが、ざわつきを抑えきれずにいる。
「……何者だよ」
「新人ってレベルじゃないだろ」
(聞こえてる、聞こえてるから)
私は苦笑いしつつ身体を起こす。
――バレてはいないはず。
けれど確実に、目をつけられた。
(……来る)
次の一歩。
踏み込みの質が、これまでとはまるで違う。
木剣が一直線に――こちらの芯を貫きに来た。
(試してる……!)
考えるより先に、体が動く。
踏み込み、剣を弾き、角度を変え――
「……っ」
一瞬、ディランの体勢がわずかに崩れた。
ざわっ、と訓練場が揺れる。
「今の……」
「見たか?」
「殿下の剣、流した……?」
(しまった)
完全に、反応してしまった。
次の瞬間。
「――なるほど」
低く、静かな声。
ディランの表情から、余裕の笑みが消える。
(やば……本気)
重い一撃が来た。
木剣同士がぶつかり合い、手元に衝撃が走る。
受けきれない。
踏ん張る間もなく、剣を弾き飛ばされ――
「くっ……!」
体勢が崩れ、背中から地面に倒れ込んだ。
喉元に、木剣がぴたりと止まる。
「……ここまでだ」
訓練場が、静まり返った。
「負けました」
息を整えながら告げる。
ディランはしばらく私を見下ろし――
ふっと、口元を緩めた。
「面白い。新人とは思えない動きだった」
(やめて、褒めないで……)
周囲の騎士たちが、ざわつきを抑えきれずにいる。
「……何者だよ」
「新人ってレベルじゃないだろ」
(聞こえてる、聞こえてるから)
私は苦笑いしつつ身体を起こす。
――バレてはいないはず。
けれど確実に、目をつけられた。



