「あの……本当に、その格好で行くんですか?」
セナが盛大なため息をつきながら言った。
「行くよ! バッチリでしょ!」
鏡に映るのは――私……いや、俺だ。
ルイの衣装に茶髪のウィッグ。
身長を底上げする厚底のシークレットブーツ。
冬用の厚手の服を重ねれば、体のラインも完全に隠れる。
「見た目は……まあ、悪くないですけど」
セナが渋々うなずく。
「よりによって、騎士団員として参加しなくても……」
「だって、せっかくだし参加したいじゃん!」
振り返って胸を張る。
「騎士団のレベル、実際に見てみたいし!」
「はぁぁ……」
セナは頭を抱えた。
「見た目は完全に男の子ですね!」
「確かに」
アレンとロベルトも感心したように言う。
「でも……」
今度のセナの声は、少しだけ真剣だった。
「魔宝剣を発動したら、即バレますよね?」
「まあ、その時は木剣使うでしょ」
軽く肩をすくめる。
「……使いそうになったら、逃げる!」
「計画が雑すぎます!」
セナが即座に突っ込んだ。
……でも。
胸の奥が、ほんの少し高鳴っていた。
危険なのは分かってる。
それでも――
この中に、答えがある気がしてならなかった。



