第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない

まず、ディランに向けられていた陛下の視線について話した。
それが、かつてガイルが私に向けたものと同じだったこと。

人としてではなく、
ただの“器”として値踏みする目。

その瞬間、場の空気がぴんと張りつめたのがわかった。

続けて、陛下との試験のことを話す。
宝石の選定試験――
そしてそれが、私に“黒い靄が見えているか”を確かめるためのものだったこと。

「それから……」

私は、ほんの一瞬だけ言葉を選んだ。

「魔宝石との共鳴の確認があった」

透明な宝石。
触れた途端、私の魔力を吸い取ろうとした、あの不快な感覚。

思い出しただけで、背筋に冷たいものが走る。

そして、スーザのこと――
さらに、陛下が差し向けた刺客の存在についても話した。

場の空気が、いっそう重く沈む。

最後に、魔宝獣に襲われた件。
そして、その場で――力を使ったこと。