「ここのマカロン、美味しいですよね」
少女はそう言って、ふわりと微笑んだ。
年相応の無邪気さよりも先に目につくのは、背筋の伸びた姿勢と、指先まで整った所作。
身にまとうドレスも、生地も仕立ても装飾も、どれを取っても上等だ。
……なるほど。
貴族のご令嬢。
「あ、自己紹介がまだでしたね」
小さく首を傾げ、にこりと笑う。
「ティアナ・ラピスラズリです。ラピスラズリ伯爵家の娘です」
どうりで。
自然と納得がいった。
……それより。
なぜ、そんなご令嬢が私に?
「ルイと申します。公爵家騎士団の一員として、こちらで任務中です」
「そうでしたか。任務はいつまで?」
「一か月ほどです」
「そう」
ティアナ様は紅茶を一口含み、静かにカップを置いた。
……本当に、綺麗な子だ。
外見だけじゃない。落ち着き方が、年齢に見合わない。
「それで……私に何のご用件でしょうか?」
慎重に言葉を選ぶ。
「スケッチブック、返していただけると助かるのですが」
「あ、そうでした」
今度はあっさりと差し出される。
「はい」
受け取りながら、視線が走る。
「……これは、あなたが?」
「はい」
「服を……実際に作っているんですか?」
「ええ、まあ」
曖昧に答えると、ティアナ様は少しだけ意味ありげに微笑んだ。
「そう」
一拍置いて、テーブル越しに身を乗り出す。
「ねぇ。お願いがあるの」
「……お願い、ですか?」
胸の奥が、ざわりとした。
ただのお嬢様じゃない。
この子は――。
「私に、ドレスを作ってくれないかな?」
あまりに予想外の言葉に、私は思わず目を丸くした。
少女はそう言って、ふわりと微笑んだ。
年相応の無邪気さよりも先に目につくのは、背筋の伸びた姿勢と、指先まで整った所作。
身にまとうドレスも、生地も仕立ても装飾も、どれを取っても上等だ。
……なるほど。
貴族のご令嬢。
「あ、自己紹介がまだでしたね」
小さく首を傾げ、にこりと笑う。
「ティアナ・ラピスラズリです。ラピスラズリ伯爵家の娘です」
どうりで。
自然と納得がいった。
……それより。
なぜ、そんなご令嬢が私に?
「ルイと申します。公爵家騎士団の一員として、こちらで任務中です」
「そうでしたか。任務はいつまで?」
「一か月ほどです」
「そう」
ティアナ様は紅茶を一口含み、静かにカップを置いた。
……本当に、綺麗な子だ。
外見だけじゃない。落ち着き方が、年齢に見合わない。
「それで……私に何のご用件でしょうか?」
慎重に言葉を選ぶ。
「スケッチブック、返していただけると助かるのですが」
「あ、そうでした」
今度はあっさりと差し出される。
「はい」
受け取りながら、視線が走る。
「……これは、あなたが?」
「はい」
「服を……実際に作っているんですか?」
「ええ、まあ」
曖昧に答えると、ティアナ様は少しだけ意味ありげに微笑んだ。
「そう」
一拍置いて、テーブル越しに身を乗り出す。
「ねぇ。お願いがあるの」
「……お願い、ですか?」
胸の奥が、ざわりとした。
ただのお嬢様じゃない。
この子は――。
「私に、ドレスを作ってくれないかな?」
あまりに予想外の言葉に、私は思わず目を丸くした。



