「……もし、あの人が何か悪さをしているのなら」
ディランは言葉を選ぶように、ひとつ息を置いた。
「俺は、孫として。そして――次期国王として、止めなければならない」
「絶対に」
エメラルドの瞳が、迷いなく前を見据えている。
「今回、俺は表立っては動けない。……祖父の目があるからな」
少し声を落とし、続けた。
「だから……君に、危険な役目を任せることになる」
その言葉に、私は一瞬もためらわなかった。
「それは、大丈夫です」
むしろ、自然に口をついて出た。
「一緒に、やりましょう」
対等に。
隣に立つ覚悟で。
ディランは驚いたように目を瞬かせ、それからふっと肩の力を抜いた。
「……ほんと、逞しいな」
小さく笑って。
「俺のお姫様は」
その呼び方に、胸が少しくすぐったくなる。
でも――守られるだけのお姫様じゃない。
そう思いながら、私は彼の視線をまっすぐ受け止めた。



