一区切りしたところで、
「俺は、これで帰るとしよう」
ディランが静かに席を立つ。
「わかりました。……見送ります」
「それは、ありがとう」
部屋を出て、扉が閉まる。
――二人きり。
さっきまでの喧騒が嘘のように、空気がしんと静まり返った。
私はひとつ息を整え、口を開く。
「ディラン……」
名前を呼んだだけで、胸がきゅっと締めつけられる。
「私は、ジョルジュ陛下が信用できません」
慎重に言葉を選びながら続ける。
「なにか……とんでもないことを考えている気がするんです」
ディランは否定も驚きもせず、ただ短く頷いた。
「ああ」
その反応に、覚悟が固まる。
「……ディランのご家族を悪く言いたいわけではありません。でも――それを、確かめたいんです」
沈黙。
ほんの一瞬、迷いがよぎったように見えて、思わず視線を上げる。
「大丈夫だ」
低く、はっきりとした声。
「前にも言っただろ」
一歩近づき、まっすぐに見つめてくる。
「俺が一番大事なのは――きみだ」
迷いのない瞳が、逃げ場のないほど真っ直ぐに私を捉える。
誠実で、強くて、揺るがない。
その視線に、胸の奥が熱くなった。
――この人は、選んだんだ。
迷わず、私を。
「俺は、これで帰るとしよう」
ディランが静かに席を立つ。
「わかりました。……見送ります」
「それは、ありがとう」
部屋を出て、扉が閉まる。
――二人きり。
さっきまでの喧騒が嘘のように、空気がしんと静まり返った。
私はひとつ息を整え、口を開く。
「ディラン……」
名前を呼んだだけで、胸がきゅっと締めつけられる。
「私は、ジョルジュ陛下が信用できません」
慎重に言葉を選びながら続ける。
「なにか……とんでもないことを考えている気がするんです」
ディランは否定も驚きもせず、ただ短く頷いた。
「ああ」
その反応に、覚悟が固まる。
「……ディランのご家族を悪く言いたいわけではありません。でも――それを、確かめたいんです」
沈黙。
ほんの一瞬、迷いがよぎったように見えて、思わず視線を上げる。
「大丈夫だ」
低く、はっきりとした声。
「前にも言っただろ」
一歩近づき、まっすぐに見つめてくる。
「俺が一番大事なのは――きみだ」
迷いのない瞳が、逃げ場のないほど真っ直ぐに私を捉える。
誠実で、強くて、揺るがない。
その視線に、胸の奥が熱くなった。
――この人は、選んだんだ。
迷わず、私を。



