暖炉の火が、ぱちりと小さく弾けた。
湯気の立つティーカップが並び、甘い香りが部屋いっぱいに広がる。
「はい、どうぞ」
ユウリとアリスが手際よくお茶を配っていく。
……平和。
見た目だけは。
「それにしても」
ルイが、わざとらしくカップを口元に運びながら言った。
「さっきの玄関、なかなか名シーンだったわね」
「ルイ」
即座に、セナが低い声で制する。
「え? なに?」
悪びれない笑顔。
「仲直りした瞬間に雪って、演出完璧じゃない?」
「……」
ディランが咳払いをひとつ。
視線はカップに落としたまま、こちらを見ようとしない。
耳が、赤い。
「殿下」
テオがじろりと睨む。
「お嬢様、大事にしてよ。次はないからね」
「……承知している」
間髪入れず返る真面目な声。
――だから余計に目立つ。
アレンとロベルトは顔を見合わせて、
「なんか……あったかいですね」
「雪なのにな」
と、よくわかっていないまま微笑んでいる。
私はというと――
……落ち着かない。
隣に座るディランとの距離が、近い。
さっきまで抱きしめられていた温もりが、まだ肌に残っている。
「……お茶、冷めるよ」
小さく囁かれ、心臓が跳ねた。
「……あ、はい」
カップを持つ手が、わずかに震える。
その様子を見て、ルイが満足そうに頷いた。
「うん。完全に仲直りね」
「……」
誰も否定しなかった。
暖炉の火と、紅茶の湯気に包まれる。
湯気の立つティーカップが並び、甘い香りが部屋いっぱいに広がる。
「はい、どうぞ」
ユウリとアリスが手際よくお茶を配っていく。
……平和。
見た目だけは。
「それにしても」
ルイが、わざとらしくカップを口元に運びながら言った。
「さっきの玄関、なかなか名シーンだったわね」
「ルイ」
即座に、セナが低い声で制する。
「え? なに?」
悪びれない笑顔。
「仲直りした瞬間に雪って、演出完璧じゃない?」
「……」
ディランが咳払いをひとつ。
視線はカップに落としたまま、こちらを見ようとしない。
耳が、赤い。
「殿下」
テオがじろりと睨む。
「お嬢様、大事にしてよ。次はないからね」
「……承知している」
間髪入れず返る真面目な声。
――だから余計に目立つ。
アレンとロベルトは顔を見合わせて、
「なんか……あったかいですね」
「雪なのにな」
と、よくわかっていないまま微笑んでいる。
私はというと――
……落ち着かない。
隣に座るディランとの距離が、近い。
さっきまで抱きしめられていた温もりが、まだ肌に残っている。
「……お茶、冷めるよ」
小さく囁かれ、心臓が跳ねた。
「……あ、はい」
カップを持つ手が、わずかに震える。
その様子を見て、ルイが満足そうに頷いた。
「うん。完全に仲直りね」
「……」
誰も否定しなかった。
暖炉の火と、紅茶の湯気に包まれる。



