見つめ合っていると――
「あーほら、やっぱり」
テオの声が聞こえた。
「やだーここ良いところじゃない!花火よく見えそう!」
ルイが嬉しそうに言い、
「でっか!今の見た!?すごくね!」
レオが空を指さしてはしゃぐ。
「レオ、うるさいです」
セナが冷静に突っ込む。
「お嬢様、すみません。お邪魔しちゃって」
ユウリが申し訳なさそうに微笑む。
「お嬢様失礼します」
アリスもスッと現れる。
「殿下……すぐパーティから抜け出さないでください」
レイがメガネをくいっと上げる。
「……なんでいるんだ」
ディランが苦笑した。
「狼にお嬢様が食べられたら大変だからねー。
お嬢様、ほら花火見よ!」
テオがしれっと私の横に入り込む。
「あ、おい」
ディランが私の手を取ろうとすると――
今度はセナがすっと間に入った。
「ほら。綺麗ですね。
一緒に見ましょう」
棒読みだ。絶対わざとだ。
「しれっと間に入るな。全く」
ディランが小さくため息をつく。
「見て見て!お嬢さん!
今のあれ、ドラゴンかなぁ!」
レオがこちらを振り返る。
「ドラゴンって……思い出したくないわね」
ルイが肩をすくめる。
「ほんとに賑やかですね」
ユウリが言い、
レイも静かに頷いた。
花火の音と、
みんなの笑い声が夜空に響く。
その光景が、胸にじんわりと広がった。
ふとディランを見つめる。
私の視線に気づき、優しい笑顔を向ける。
――この先も、ずっと。
みんなと一緒にいられますように。
そっと願いを込めて、
夜空に咲く光を見上げた。
第5部 完結



