ディラン、意外と早い。
足が長いからだろうか。そんなことを考えてしまう自分が情けない。
「で、ディラン!!」
思いきって声を張り上げると、その背中がピタリと止まった。
……お、追いついた。
追いついた、けど――
私は、なにを話すんだ?
え?
なにを言えばいいの?
頭の中で、ルイとの会話がぐるぐる回る。
――ちゅーとぎゅーすればいいのよ。
いやいやいや、
それは違う。絶対違う。
「あ、あの……」
喉がひっかかる。
胸がぎゅっと縮む。
「で、ディラン……」
もう一度、名前を呼ぶ。
……でも。
止まったままの背中は、
それでも振り向いてはくれなかった。
「今は……俺とは、話したくないだろ?」
振り向かないままの声。
低くて静かで――それなのに、胸の奥に刺さるほど寂しさが滲んでいた。
……拗ねてる?
それとも、怒ってる?
どちらにしても、このまま背中を見送るなんてできない。
私は一瞬ためらってから、そっとディランの服の裾をつかんだ。
その瞬間、ディランの体がわずかに強張る。
あ、やっぱり。
「ねぇ、こっち向いて」
「……いまは、無理だ」
その一言で、胸がぎゅっと縮む。
「なんでよ。心配して、来てくれたんでしょ?」
責めたいわけじゃない。
ただ、確かめたかった。
私のことを、ちゃんと見てくれているのかを。
「それは……そうだが……」
「ねぇ……」
考えるより先に、声が出た。
「仲直り、しよ」
ただ素直な気持ちが、ぽつりと零れた。
「喧嘩をしたつもりはないんだが……」
少し間を置いて、ディランが続ける。
「……でも、そうだな。俺が悪かった。あんなこと、二度としない」
「……わかった」
胸の奥の固さが、すっとほどけていく。
「私も、何も言わずにアラン殿下と出かけてごめんね」
「ああ。……心配した」
その一言が、嬉しくて。
「うん」
小さく頷いた。
足が長いからだろうか。そんなことを考えてしまう自分が情けない。
「で、ディラン!!」
思いきって声を張り上げると、その背中がピタリと止まった。
……お、追いついた。
追いついた、けど――
私は、なにを話すんだ?
え?
なにを言えばいいの?
頭の中で、ルイとの会話がぐるぐる回る。
――ちゅーとぎゅーすればいいのよ。
いやいやいや、
それは違う。絶対違う。
「あ、あの……」
喉がひっかかる。
胸がぎゅっと縮む。
「で、ディラン……」
もう一度、名前を呼ぶ。
……でも。
止まったままの背中は、
それでも振り向いてはくれなかった。
「今は……俺とは、話したくないだろ?」
振り向かないままの声。
低くて静かで――それなのに、胸の奥に刺さるほど寂しさが滲んでいた。
……拗ねてる?
それとも、怒ってる?
どちらにしても、このまま背中を見送るなんてできない。
私は一瞬ためらってから、そっとディランの服の裾をつかんだ。
その瞬間、ディランの体がわずかに強張る。
あ、やっぱり。
「ねぇ、こっち向いて」
「……いまは、無理だ」
その一言で、胸がぎゅっと縮む。
「なんでよ。心配して、来てくれたんでしょ?」
責めたいわけじゃない。
ただ、確かめたかった。
私のことを、ちゃんと見てくれているのかを。
「それは……そうだが……」
「ねぇ……」
考えるより先に、声が出た。
「仲直り、しよ」
ただ素直な気持ちが、ぽつりと零れた。
「喧嘩をしたつもりはないんだが……」
少し間を置いて、ディランが続ける。
「……でも、そうだな。俺が悪かった。あんなこと、二度としない」
「……わかった」
胸の奥の固さが、すっとほどけていく。
「私も、何も言わずにアラン殿下と出かけてごめんね」
「ああ。……心配した」
その一言が、嬉しくて。
「うん」
小さく頷いた。



