第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない

「まあ、その代わり……私が王になったら、
君たちには色々動いてもらうよ。覚悟しておいてくれ」

アラン殿下の言葉に、ディランが肩をすくめた。

「結局、俺たち王国にいいように使われるじゃん〜」

「ちょっと、テオ!」
テオが伸びをしながら言うと、私は思わず口を挟む。

「まあ、悪いようにはしないよ。
君たちは弟の恩人だからね」

アラン殿下は穏やかに笑った。

「ふふ、いいわね〜兄弟って」
ルイが微笑む。

「そうだな!
俺、ディラン殿下に兄がいるなんて知らなかったけどな!」

レオが楽しそうに言うと、
ディランは少し照れたように視線をそらした。

「まあ、話したことはなかったしな」

「とりあえず……しばらくは忙しくなりそうですね」
レイが静かに告げる。

そうして私たちは、ディランの部屋を後にした。