「お嬢さまー」
ふいに、ぎゅーっと優しく後ろから抱きしめられる。
温かい腕が腰に回り、背中に触れる体温に思わず息が止まった。
「テオ…」
「またお前は…」
セナがため息をつく。
「いいでしょう?
あいつも、ルイもレオもさ、お嬢様にくっつきすぎ。
セナだって、さっき頭撫でてた!」
「…副団長と呼べ」
「あーそうだった」
テオが緩く笑う。その無邪気さに、少しだけ心が和む。
「お嬢様、ほんと無事でよかった。
怪我させちゃって、ごめんね」
耳元に落ちる声は、いつになく優しくて。
抱きしめられたままでは、心まで溶けてしまいそうだった。
「ううん。本当にありがとうね。
2人が一緒に追いかけてきてくれて、良かったよ」
「そりゃあね!
お嬢様の行くところは、俺どこだってついていくから!」
「ふふ…」
「だから、この先も…ずっと一緒ね」
耳元で囁かれた瞬間、胸がドキッと跳ねた。
息が触れた気がして、思わず肩が震える。
「おい…離れろ」
低い声が割り込む。
「あれー、乗っ取られ王子?もう動けるの?」
「まあね…
っというか、その呼び方やめろ」
ディランがレイと一緒に現れる。
まだ痛むはずの身体で歩いてくる姿に、胸がきゅっと締めつけられた。
よく歩けるな…
無理してるのが、見ているだけでわかる。
テオがゆっくり腕をほどいたので、私はディランに一歩近づく。



