ジョルジュの影が消えた直後――
地下迷宮全体が、ぐにゃりと歪んだ。
壁が波打ち、天井が軋む。
「……まずいな。このままだと潰される」
ディランが険しい顔で言い放つ。
「なにその! お決まり展開!」
レオが叫びながら頭を抱えた。
「とりあえず逃げるわよ!」
ルイも声を張り上げる。
みんなが一斉に駆け出す。
私も走り出そうとした――その瞬間。
太ももの傷が鋭く痛んだ。
「っ……!」
足がもつれかけたその時、
ふわりと身体が持ち上げられる。
「えっ……ディラン?」
ディランが私を抱き上げ、軽く笑った。
「王子の役目を果たさせてくれ。お姫様」
その言い方に、思わず顔が熱くなる。
だがすぐ後ろからテオが声を上げた。
「殿下もボロボロでしょ。俺、代わるよ!」
「いやだ。絶対代わらない」
ディランが即答する。
「あーそう」
テオは呆れたように肩をすくめた。
「ほら、行きますよ!」
セナが先頭で駆け出す。
ユウリとレイも頷き、後に続いた。
崩れゆく迷宮の中、
私たちは全員で出口へ向かって走り出した。



