第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない


ジョルジュ side

――いや、いい。
実に……よい。

ティアナ・ラピスラズリ。
あの娘の力は、私の予想など軽々と超えてきた。

共鳴。
あれほどの力、喉から手が出るほど欲しい。
国のためではない。
私のために、だ。

そしてディラン。
あの子が、あそこまで露骨に感情を荒らげるとはな。

ふふ……可愛いものだ。

反発? 構わん。
むしろ、あれくらいの方が扱いやすい。
計画に支障などない。
すべては、私の掌の上。

いや――むしろ、ますます楽しみになってきた。

長年追い続けてきた夢。
この国の形を、私の望むままに作り替えるという夢。

そのために必要なものは、すべて揃いつつある。
多少の犠牲? 当然だろう。
大義の前に、個の命など軽い。

さあ――
もう少しだ。
私の“理想”が、ようやく現実になる。