第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない

ジョルジュの影が、足元の魔宝獣を次々と吸い込み始めた。

――ズズズ……ッ!

黒い泥のような質量が膨れ上がり、
赤黒い宝石が脈打つようにゆらめく。
影は形を変え、巨大なドラゴンのような化け物へと変貌していく。

その圧に、風が荒れ狂った。

「すご!! ドラゴン!?」

場違いなほど明るいレオの声が響く。

「なんか迷宮にドラゴンってお決まり展開ね」

ルイが肩をすくめる。

「とりあえず、これどうにかしないとじゃない?」

テオがゆるりと笑った。

「そうだな」

セナも頷く。

「もう一踏ん張りですね」

「はい」

ユウリとレイも静かに構え直した。

私は剣を握り、仲間たちを見渡す。

「みんな……倒すよ!
私たちの共鳴を――!」

その声に応えるように、
中央に立つティアナの剣先へ淡い蒼の光が集まり始める。

ディランが低く告げた。

「……ああ」

次の瞬間、仲間たちが動いた。