ディラン side
ティアナ……
急げ。
きっと、禁書庫のほうだ。
胸の奥で焦りが燃え上がる。
嫌な予感が、ずっと消えない。
その感覚に背中を押されるように、俺は禁書庫の奥へと足を踏み入れた。
空気が重い。
まるで、暗闇そのものが俺を待ち構えているようだった。
さらに奥へ進むと、古い本棚が並ぶ区画に出た。
普段は固く閉ざされているはずの棚が——
開いている。
嫌な汗が背中を伝う。
慎重に足を進め、開いた部屋の中へ入った瞬間——
息が止まった。
壁一面に貼られた紙。
幼い頃の肖像画。
訓練中の写真。
最近の、ティアナと並んだ写真まで。
そして、俺に関する膨大な資料。
執拗なほど、びっしりと。
「……なんだ、これ……」
震える指で一枚を掴む。
そこには、見慣れない文字でこう記されていた。
“ディランが、器として最適”
その瞬間——
「もう来たのか。早いな、ディラン」
背後から聞こえた声に、心臓が跳ねた。
振り返ると、薄暗い部屋の奥。
祖父——ジョルジュ陛下が、愉快そうに笑っていた。
「なんですか……これは」
声が震える。
怒りか、恐怖か、自分でもわからない。
「うむ。真実を告げるときだな」
ジョルジュは、壁に貼られた俺の写真を指でなぞった。
「お前は美しい。
エメラルドの瞳も、暗闇で変わるルビーの瞳も。
まさにアレキサンドライト。王の器だ」
「だからなんですか」
吐き捨てるように言うと、祖父は満足げに頷いた。
「お前のことは大事に育ててきたんだ。
精神も身体も、完璧になるようにな」
その言葉が落ちた瞬間、背筋がひやりと冷えた。
まるで、ずっと背後にあった影が
ようやく姿を現したかのように。
ティアナ……
急げ。
きっと、禁書庫のほうだ。
胸の奥で焦りが燃え上がる。
嫌な予感が、ずっと消えない。
その感覚に背中を押されるように、俺は禁書庫の奥へと足を踏み入れた。
空気が重い。
まるで、暗闇そのものが俺を待ち構えているようだった。
さらに奥へ進むと、古い本棚が並ぶ区画に出た。
普段は固く閉ざされているはずの棚が——
開いている。
嫌な汗が背中を伝う。
慎重に足を進め、開いた部屋の中へ入った瞬間——
息が止まった。
壁一面に貼られた紙。
幼い頃の肖像画。
訓練中の写真。
最近の、ティアナと並んだ写真まで。
そして、俺に関する膨大な資料。
執拗なほど、びっしりと。
「……なんだ、これ……」
震える指で一枚を掴む。
そこには、見慣れない文字でこう記されていた。
“ディランが、器として最適”
その瞬間——
「もう来たのか。早いな、ディラン」
背後から聞こえた声に、心臓が跳ねた。
振り返ると、薄暗い部屋の奥。
祖父——ジョルジュ陛下が、愉快そうに笑っていた。
「なんですか……これは」
声が震える。
怒りか、恐怖か、自分でもわからない。
「うむ。真実を告げるときだな」
ジョルジュは、壁に貼られた俺の写真を指でなぞった。
「お前は美しい。
エメラルドの瞳も、暗闇で変わるルビーの瞳も。
まさにアレキサンドライト。王の器だ」
「だからなんですか」
吐き捨てるように言うと、祖父は満足げに頷いた。
「お前のことは大事に育ててきたんだ。
精神も身体も、完璧になるようにな」
その言葉が落ちた瞬間、背筋がひやりと冷えた。
まるで、ずっと背後にあった影が
ようやく姿を現したかのように。



