ルイside
はぐれちゃったわ……。
薄暗い迷宮の中、湿った石の匂いが鼻をつく。
背後でドタドタと足音がして――
「ごめーーん!ルイ!!俺のせいで!!」
レオが勢いよく頭を下げる。コーラルオレンジの髪がぶんっと揺れた。
「いいのよ、気にしないで」
そう言ってみたものの、内心はちょっと不安。
「でもさ、こっちから出口に行けなかったらどうしよう……」
「平気よ」
私は前を見据えたまま答える。
「この迷宮、昔聞いたことがあるの。
試練を越えるたびに道が変わるって……それに似てるわ」
公爵家にいた頃、同僚の騎士が酒の席で話していた。
――あの人、今も元気かしら。
そんなことを思った瞬間。
ゴロゴロゴロ……。
地鳴りのような音。
振り向くと、視界いっぱいに巨大な影。
「ちょっ……やだ!!大きな岩!!走るわよ!!」
「お、おお!!」
私たちは同時に駆け出した。
背後で岩が壁を削りながら迫ってくる。
「ていうか、こんな典型的なトラップある!?」
「俺はこういうの分かりやすくて好きだけどな!!」
前方にぽっかり開いた穴。
「そこ、飛び越えるわよ!!」
「おおっ!!」
踏み切り、空中でふわっと浮く。
着地と同時に、岩が穴へ落ちていった。
――助かった。
そう思ったのも束の間。
グググッ……。
嫌な音。左右の壁が迫ってくる。
「うっそでしょ!?挟まれるやつ!?」
「ちょ、ちょっと待って!!」
「待てない!!走るわよ!!」
「おおおーー!!」
全力疾走。
ギリギリで壁の隙間をすり抜け、前へ転がり出た。
「……前言撤回だわ」
肩で息をしながら叫ぶ。
「こっち、不正解よ!不正解!!」
「ええーー!?そんなこと言わないでくれよーー!
俺、こんなとこ住むの絶対嫌だーー!!」
「私だって嫌よ!!」
ギャーギャー言い合っていると――



