第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない

「お嬢さんには、セナとテオがいる。
だから……大丈夫だよな!」

レオが、どこか自分に言い聞かせるように言った。

「そうね」

ルイも静かに頷く。

「とにかく、今はお嬢様と合流することを最優先にしましょう」

私がそう告げると、

「そうね」

「はい!」

2人もすぐに応じた。

「なんかさ」

レオがふっと笑い、肩の力を抜く。

「こっちは“大人チーム”って感じだな!」

「あら、いいわね」

ルイが楽しげに返す。

「じゃあ、あっちは……」

少しだけ考えてから、

「姫と、それを守るナイトチーム、かしら?」

その言葉に、3人の間へ小さな笑いが落ちた。

――軽口は、恐怖を押し流すためのもの。

“大人チーム”は、
しっかりと前を向き、迷宮の奥へ歩き出した。