セナがふと、上を見上げた。
「……随分、落とされましたね」
「ほんとにね」
テオも同じように天井を仰ぐ。
「それにしても……
ユウリたち、大丈夫かな」
胸の奥に、不安がひと筋走る。
完全に分断されてしまった。
「んー、大丈夫でしょ」
テオが軽く肩をすくめた。
「あっちは“大人チーム”だし。
そう簡単にやられないって」
その言葉に、少しだけ救われる。
だが次の瞬間――
「それよりも!」
テオが突然、声を張り上げた。
「お嬢様の……お嬢様の綺麗な髪!!
切られた!!」
「ほんとですね。
許せません」
セナも静かに頷く。
「……うーん」
私は指先で髪をつまみ、首を傾げた。
「長さ、バラバラだよね」
そして、ふと思い出したように言う。
「ねえ、セナ。鏡ある?」
「……小さいものなら」
差し出された携帯用の鏡を受け取る。
「さすが〜」
「少し、持っててもらえる?」
「はい」
私はドレスの裾をたくし上げた。
「お、お嬢様!?
ちょっ、セクシーだよ!?」
テオが慌てて顔を覆う。
……のに、指の隙間からしっかり見ている。
「見るな」
セナの即ツッコミが飛ぶ。
「お嬢様、何をなさっているんですか」
「まあまあ」
私は太ももに隠していたナイフを取り出した。
「それは……」
「騎士団のみんながくれたナイフだね」
ナイフを軽く回し、ためらいなく刃を入れる。
――しゃり。
――ばさっ。
菫色と桃色の髪が、床に落ちた。
鏡を見ながら、肩のあたりで揃えていく。
「……うん。こんなもんかな」
満足して息をつく。
「……」
「……」
テオが膝をつき、崩れ落ちた。
「お、お嬢様の……髪が……
尊いものが……!」
セナは一瞬言葉を探し、
小さく息を吐いた。
「……とても、お似合いです」
その声は、いつもより少しだけ柔らかかった。
「……随分、落とされましたね」
「ほんとにね」
テオも同じように天井を仰ぐ。
「それにしても……
ユウリたち、大丈夫かな」
胸の奥に、不安がひと筋走る。
完全に分断されてしまった。
「んー、大丈夫でしょ」
テオが軽く肩をすくめた。
「あっちは“大人チーム”だし。
そう簡単にやられないって」
その言葉に、少しだけ救われる。
だが次の瞬間――
「それよりも!」
テオが突然、声を張り上げた。
「お嬢様の……お嬢様の綺麗な髪!!
切られた!!」
「ほんとですね。
許せません」
セナも静かに頷く。
「……うーん」
私は指先で髪をつまみ、首を傾げた。
「長さ、バラバラだよね」
そして、ふと思い出したように言う。
「ねえ、セナ。鏡ある?」
「……小さいものなら」
差し出された携帯用の鏡を受け取る。
「さすが〜」
「少し、持っててもらえる?」
「はい」
私はドレスの裾をたくし上げた。
「お、お嬢様!?
ちょっ、セクシーだよ!?」
テオが慌てて顔を覆う。
……のに、指の隙間からしっかり見ている。
「見るな」
セナの即ツッコミが飛ぶ。
「お嬢様、何をなさっているんですか」
「まあまあ」
私は太ももに隠していたナイフを取り出した。
「それは……」
「騎士団のみんながくれたナイフだね」
ナイフを軽く回し、ためらいなく刃を入れる。
――しゃり。
――ばさっ。
菫色と桃色の髪が、床に落ちた。
鏡を見ながら、肩のあたりで揃えていく。
「……うん。こんなもんかな」
満足して息をつく。
「……」
「……」
テオが膝をつき、崩れ落ちた。
「お、お嬢様の……髪が……
尊いものが……!」
セナは一瞬言葉を探し、
小さく息を吐いた。
「……とても、お似合いです」
その声は、いつもより少しだけ柔らかかった。



