魔宝獣は――増えていた。
一体、二体。
闇の裂け目から、次々と這い出してくる。
だが。
「……数が増えたところで、同じことだ」
剣は下ろさない。
紅く燃えるガーネットは衰えず、
その足取りには、まだ余裕すらあった。
「前線は維持しろ。
下がる必要はない」
その一言で、騎士たちの背筋が伸びる。
恐怖が、命令によって押し込められていく。
次の瞬間――
――風が、変わった。
「――よいしょっと!」
澄んだ声が、戦場の空気を切り裂く。
緑の光が閃き、魔宝獣の群れの間を駆け抜けた。
現れたのは、
風に揺れる緑髪の騎士。
「邪気を払え――グリーントルマリン!」
剣先が鮮やかな翠に輝き、
振るわれた一閃が、魔宝獣を包む黒い靄を音もなく裂いた。
黒い霧が霧散し、魔宝獣が一瞬たじろぐ。
「……ほう」
アランはわずかに目を細める。
ただの軽口ではない。
この男――実力がある。
「アラン殿下、ですよね!」
緑髪の騎士は、戦場とは思えないほど軽い調子で言った。
だが、その立ち姿には一切の隙がない。
剣の角度。
重心の置き方。
呼吸の深さ。
――間違いない。
これは、前線に立てる騎士だ。
「助太刀、感謝する」
アランが告げると、
ルークはにっと笑った。
「いえいえ!
お嬢様が大変なことになってそうなんで!」
その背後に、さらに二つの影が並ぶ。
空気が、再び張り詰めた。
一体、二体。
闇の裂け目から、次々と這い出してくる。
だが。
「……数が増えたところで、同じことだ」
剣は下ろさない。
紅く燃えるガーネットは衰えず、
その足取りには、まだ余裕すらあった。
「前線は維持しろ。
下がる必要はない」
その一言で、騎士たちの背筋が伸びる。
恐怖が、命令によって押し込められていく。
次の瞬間――
――風が、変わった。
「――よいしょっと!」
澄んだ声が、戦場の空気を切り裂く。
緑の光が閃き、魔宝獣の群れの間を駆け抜けた。
現れたのは、
風に揺れる緑髪の騎士。
「邪気を払え――グリーントルマリン!」
剣先が鮮やかな翠に輝き、
振るわれた一閃が、魔宝獣を包む黒い靄を音もなく裂いた。
黒い霧が霧散し、魔宝獣が一瞬たじろぐ。
「……ほう」
アランはわずかに目を細める。
ただの軽口ではない。
この男――実力がある。
「アラン殿下、ですよね!」
緑髪の騎士は、戦場とは思えないほど軽い調子で言った。
だが、その立ち姿には一切の隙がない。
剣の角度。
重心の置き方。
呼吸の深さ。
――間違いない。
これは、前線に立てる騎士だ。
「助太刀、感謝する」
アランが告げると、
ルークはにっと笑った。
「いえいえ!
お嬢様が大変なことになってそうなんで!」
その背後に、さらに二つの影が並ぶ。
空気が、再び張り詰めた。



