アランside
……行ったな。
走り去るディランの背が見えなくなった瞬間、
胸の奥で、ひとつ息を落とす。
本当に、大きくなった。
もう、私の影を追って泣いていた幼い少年ではない。
これも彼女の影響か…。
さて――。
「お前たち。立ち尽くしている暇はない」
鋭い声が廊下を切り裂く。
騎士たちがびくりと肩を震わせた。
「魔宝獣が出現した。状況は最悪だ」
「は、はいっ……!」
ようやく正気に戻ったように、騎士たちが動き出す。
「こちらはこちらで対処する」
誰に聞かせるでもなく、
自分に言い聞かせるように呟く。
「……待っていろ、ティアナ嬢」
その直後、
騒ぎを聞きつけた騎士たちが次々と駆け込んできた。
一瞬の迷いもなく、声を張り上げる。
「第一部隊、魔宝獣の迎撃に当たれ!」
「第二部隊は招待客の避難誘導!
パーティー会場に魔宝獣を一歩たりとも近づけるな!」
空気が一気に引き締まる。
「第三部隊――結界を張れ!」
「はっ!!」
号令とともに、騎士たちが散っていく。
混乱の中でも、彼らの動きは訓練された鋭さを取り戻していた。
アランはふと、ディランが走り去った方角へ視線を向ける。
……必ず、間に合え。
王族としてではなく、
ただ一人の兄として、強く願った。
……行ったな。
走り去るディランの背が見えなくなった瞬間、
胸の奥で、ひとつ息を落とす。
本当に、大きくなった。
もう、私の影を追って泣いていた幼い少年ではない。
これも彼女の影響か…。
さて――。
「お前たち。立ち尽くしている暇はない」
鋭い声が廊下を切り裂く。
騎士たちがびくりと肩を震わせた。
「魔宝獣が出現した。状況は最悪だ」
「は、はいっ……!」
ようやく正気に戻ったように、騎士たちが動き出す。
「こちらはこちらで対処する」
誰に聞かせるでもなく、
自分に言い聞かせるように呟く。
「……待っていろ、ティアナ嬢」
その直後、
騒ぎを聞きつけた騎士たちが次々と駆け込んできた。
一瞬の迷いもなく、声を張り上げる。
「第一部隊、魔宝獣の迎撃に当たれ!」
「第二部隊は招待客の避難誘導!
パーティー会場に魔宝獣を一歩たりとも近づけるな!」
空気が一気に引き締まる。
「第三部隊――結界を張れ!」
「はっ!!」
号令とともに、騎士たちが散っていく。
混乱の中でも、彼らの動きは訓練された鋭さを取り戻していた。
アランはふと、ディランが走り去った方角へ視線を向ける。
……必ず、間に合え。
王族としてではなく、
ただ一人の兄として、強く願った。



