ピッと封印!放課後のマジカル・プライスレス!

「平くん、ダメだ!」
『平様、王の記憶に飲み込まれてはいけませんの!』

背後から聞こえてくる蒼生くんとナナちゃんの声が遠くかすんでいく。
ガタガタと足がすくむ。
……怖い。
わたしは怖いんだ。
もう、平が、平じゃないのかもしれない。
あやかしの王に……黒の王になってしまったのかもしれないから。
嫌だ、そんなの!
怖い、怖いよ!
涙を浮かべてうずくまった時。

「……まひろ、逃げろ!」

平の声が聞こえた。
温かな熱を放っている声音が、どこか安心させてくれる。
こうして存在を感じているだけでも、安らかな気持ちにさせてくれた。

「俺が、俺じゃなくなる前に! 早く!」

また、聞こえた。
なんて温かい。
なんて心強い。
とてもとても優しい声。
だけど、なんて悲しい。
心の痛みの声だ。

「……嫌だよ、平」

わたしは、震える足で一歩、踏み出した。
熱い。
熱くて、息が止まりそう。
でも、平の心は凍えそうなほど、冷たくて泣いていた。
だから、わたしが行かなくちゃ。
わたしが、その凍った心を温めてあげなくちゃ!