蛍の季節に、キミはまた会いに来る


放課後の空は、少し曇っていた。

雨が降りそうで降らない、中途半端な色。

あれから、真衣はいつものグループではなく私の隣にいるようになった。

3人から睨まれても気にすることはない。

気にしているのは、いつも私の方だ。

今まで人の目ばかり気にして生きてきたけど、真衣のように“自分は自分”と思って行動すればよかっただけ。

変に気にするから標的にされていじめられる。

それを教えてくれたのが真衣だった。

どんなに嫌がらせをされても何を言われても無視をし続けた結果、彼女たちは真衣に嫌味を言ってくることは無くなった。

放課後、必ず向かう場所といえば、やっぱり川辺。

京都から帰ってきてから、ここに来る回数も自然と増えた気がする。

幼かった頃の黒崎くんと指切りをした場所。

あの子が黒崎くんだったんだと気づいて、再会した場所。

私にとって、いつも何かが始まる場所のような気がして、好きなんだ。

川の底まで見える、キレイな水。

川のせせらぎを聞くと、相変わらず心が落ち着いた。

「あれ?来てたの?」

背後から不意にかかった声に驚いて振り返る。

「く、黒崎くん!?」

京都でのことがあるからか、彼のことを見ると急に意識しちゃって声が裏返ってしまう。