蛍の季節に、キミはまた会いに来る


その人が抱えている本当の傷や悩みは話してみないとわからない。

彼女もずっとひとりぼっちだったんだ。

気がつかなくて、ごめん。

私は真衣を抱きしめた。

絶対突き放されると思ったけど、真衣はそれを静かに受け入れてくれた。

静かな部屋で、鼻をすすりながら二人で抱き合う。

「あ、でも、黒崎くんのことは別だからね」

「え?」

私は眉を上げる。

「黒崎くんのことは諦めいないって言ってんの!」

「あ……うん」

私はこめかみをポリポリかきながら俯いた。

「だから聖菜もグイグイいきなよ?グズグズしてたら私じゃなくても他の誰かにすぐに取られるからね」

取られるも何も、黒崎くんは私のものではない。

グイグイ行ったところで、それを決めるのは黒崎くんだ。

選ばれなければ、そこで終わりだし……。

「あ〜もうっ!」

真衣が私の肩を強く掴んだ。

「グダグダ考えてないであんたはあんたで頑張りなさいっ!」

その肩を激しく揺らされて、頭が大きく前後に動く。

それがおかしかったのか、真衣は楽しそに笑った。

私も頭を振られながら一緒になって笑う。

真衣の気持ちが聞けて、スッキリした。