「だけど、一人でもうまくやってるあんたを見てたら、なんか自分がバカらしくなって」
彼女の心は、誰も知らないところで泣いていたんだ。
その気持ちははかりしれない。
きっと、私よりもきつかったのかもしれない。
私はいつも自分のことばかり気にしていたから、真衣さんの気持ち、見抜けなかった。
気づいたら、私は真衣さんを抱き締めていた。
「真衣さん、私でよければ、友達になって」
驚いた。自分からこんな言葉が出るなんて。
友達なんて、二度とつくらないと思っていたのに。
抵抗していた彼女も、徐々に力を抜いて嗚咽をこぼす。
「あんた、バカだよ。とことんバカ。信じらんない。しかも、いまだに“さん”付けで呼ぶのやめてよね。気持ち悪い」
子供のように泣きじゃくる真衣さんに、ティッシュを渡す。
こんな風に泣く人だなんて思わなかった。
出会った当初、黒崎くんにも言われたっけ。
見た目で人を判断するなって。
本当にその通り。
見た目だけでは、人の心なんてわからない。
「あんなにあんたを傷つけたのに、私を許してくれるの?」
私は微笑みながら、小さく頷く。
「あんた、バカだよ、ほんと」
真衣さんはそう言って、目元を拭った。



