蛍の季節に、キミはまた会いに来る


黒崎くんの顔を見ることができなくて、俯き加減に首だけ振った。

確実に変わっていってる。

黒崎くんへの気持ち。

どうしよう。

ドキドキが止められない。

「……あ」

私たちの少し先を歩く真衣さんと瀬戸くんの後ろ姿が見えた。

それよりも、参道の横に並ぶお土産店の前に立っていた真衣さんの友達3人が、真衣さんを指差しながら睨みつけている。

「なに? どうかした?」

私の視線を追うようにキョロキョロ辺りを見回している黒崎くん。

「う、ううん、なんでもない」

小さく笑って答えたけど、一体、何があったんだろう。

行きの新幹線の中や、さっきのお茶屋さんでも真衣さんは変だった。

気になる……。

清水寺へと続く石段を登るたび、下から聞こえる観光客の声が少しずつ遠くなっていく。

「意外と高いな、ここ」

彼が息を吐きながら笑った。

「ほんとだね」

私は短くそう答えて、石段で脈拍の上がる心臓を手で押さえた。

だけど、ドキドキしている理由は石段のせいだけじゃない。