蛍の季節に、キミはまた会いに来る


黒崎くんに乱暴に背中を押された瀬戸くんは、すごく楽しそうに数歩前に進む。

ようやく私たちの順番になると、私を押し除けるように真衣さんが私と黒崎くんの間に入ってきて、私は自然と瀬戸くんの隣に立つことに。

私たちの後ろに並んでいた、普通の観光客の夫婦が、黒崎くんのスマホで写真を撮ってくれた。

私は瀬戸くんに肩を抱かれてびっくりして肩をあげ、真衣さんは黒崎くんにべったりくっついて笑っていて、黒崎くんは面白くなさそうに瀬戸くんを睨んでいた。

写真を撮った後は、金閣寺の近くにあったお茶屋さんに入ることにした。

時代劇に出てきそうな古い建物の中で、抹茶と3色団子を注文して、外に設置されてあるベンチに座って食べた。

「そういえば、真衣ちゃんいつもの友達はどうしたの?」

串団子を頬張る瀬戸くんが聞く。

「いくらグループ行動だって言っても、真衣ちゃんの近くにきそうなのに」

瀬戸くんにとっては、それが何気ない質問だった。

私も同じ質問をするだろう。

あれだけ一緒にいて黒崎くんを見ていたんだから。

「こういう時は、本当のグループ行動がしたいんじゃない?」

“本当のグループ行動”

真衣さんは、抹茶を飲みながらただ遠くの景色を眺めていた。