ため息と共に溢れた声。
黒崎くんも、私の表情に満足そうに微笑んで無数に舞う蛍を目で追った。
蛍と同じくらい柔らかい黒崎くんの微笑みに、『好き』だという気持ちが目覚めていく。
不意に、黒崎くんが小指を差し出した。
私は、その小指を見てから黒崎くんを見上げる。
「もう一回、約束」
「約、束?」
コクンと黒崎くんが頷く。
「あの時みたいに」
私がゆっくり小指を近づけると、黒崎くんは自分の小指を絡めてきて、少しだけグイッと私を引っ張った。
「学校、ちゃんと来いよ」
「うん」
微笑みながら答えると、『約束な』そう言って、黒崎くんが小指を上下に振る。
絡めた小指の周りを蛍が飛び、そして、そっと小指の上に止まった。
私たちは、蛍を驚かさないようにお互いに目を合わせて、笑い合う。
少し大人になった私たちの指切りは、ドキドキでキュンキュンして、幸せな気分だった。



