蛍の季節に、キミはまた会いに来る


「初めてみました。お母さんの若い頃」

「聖菜ちゃんの家にもあるでしょう? お母さんの写真」

「あるんですけど、ちゃんと見たことはなくて。それに、学生の頃の写真は初めてです」

今の私とあまり変わらない年のお母さんは、この時どんな学校生活を送っていたのだろう。

私みたいに学校に行けなくなったりしてたのだろうか。

お母さんには、黒崎くんのお母さんがいたからまだ心の支えになったんだろうな。

パラパラとページをめくっていたら、ある写真を見て、心臓が一回大きく高鳴った。

こ、これ......。

「と、豊田さん!!」

突然大声をあげた私に、豊田さんは目を丸くする。

「これ、この子。この女の子、誰ですか?」

どれ?と豊田さんがアルバムを覗いた。

そして、大きく笑う。

「アッハッハッハ! これは女の子じゃないよ!達也だよ」

......え?

く、黒崎くん!?

私が見た写真には、あの頃約束をした子と同じ女の子が写っていた。

今まで顔だけは鮮明に思い出せずにいたけど、この写真を見て『この子だって』ピンときた。

女の子じゃなかったの?

しかも、黒崎くん!?

「あの頃は女の子がほしいって言っててね。達也の顔も女の子みたいな顔をしていたから髪をこうやって結んでいたんだよ。小学校に上がる頃になると達也が嫌だって言い出してしなくなったんだけどね」

「………」