蛍の季節に、キミはまた会いに来る


なぜこんな行動をとったのかわからない。 

私はしばらく学校にいけずにいて、豊田さんの家にやってきた。

豊田さんの隣の家は黒崎くんの家なのに、なぜこんなところにやってきたのだろう。

なんだか、豊田さんに頼りたかった。

畳の部屋に通された私は、豊田さんに言われて腰をおろす。

お茶を運んで来た豊田さんが、わたしの目の前に座る。
 
仏壇にはおばあちゃんの遺影。

どことなく黒崎くんに似てる。優しい目元が。

「東京とは違って時間がゆっくり流れているだろ?」

お茶を飲みながら小さく頷いた。

「田舎はいいよ。何もないけどね。何だか、人と人との距離が近いような気がしてね。あ、だからって別に東京が悪いってことじゃないよ」

すぐにフォローする豊田さんがかわいくておかしかった。

「喜美子さんも、なにか悩み事があるとウチにきていたからねぇ。やっぱり親子だねぇ」

お母さんも、豊田さんの家に?

まぁ、その当時はここが黒崎くんのお母さんの家になるわけだもんね。

親友の家。

お母さんが親友の家に行くのと、わたしが豊田さんの家に行くのとではまた違うような気がするけれど。