蛍の季節に、キミはまた会いに来る


やっぱり、好きかも。

捨てようと思っていた気持ちなのに。

こんなタイミングで現れるんだもん。

捨てられないよ。

「調子はどう?」

「まだ少し頭が痛い、かな」

また下手な嘘。

さっき鏡に映った姿なら、本当に風邪のように見えるかもしれないけれど。

「無理はするなよ。学校は、楽になってから来ればいいし」

「心配してくれて、ありがとう」

お礼を言った瞬間、彼女の言葉が頭をよぎった。

ただみんなに優しいだけ。

そう、か。

そうだよね?

彼は、可愛そうな人を見捨てられないだけ。

私だってその中のひとり。

特別じゃないのに。

私って本当にバカ。

「そんでさ、おまえなんかあった?」

ドクンっと心臓が濁った動きをする。

「ど、どうして?」

「いや、キラがなんかお前が変だったって言ってたから」

瀬戸くんが......。

「誰かになんかされて学校来れんくなったのか?」

「ま、まさか。そんなんじゃないよ」

また嘘をつく。