蛍の季節に、キミはまた会いに来る


「おはよー!ねぇ、ちょっといい?」

翌朝の教室。

登校したての私に仲良さそうに話しかけてきた真衣さんに、身の毛がよだった。

その後ろには、取り巻きが3人いる。

こうなる予感はしていた。それが的中しただけ。

覚悟はしていたつもりだけれど、やっぱり足が震える。

私は、何でもないふりをしながら、彼女たちのあとをついていった。

屋上へと続く階段には、誰もいない。

そこで立ち止まった彼女たちが、私を振り替える。

ハイエナに囲まれた弱い動物のように怯えて立つ。

「昨日、マリカが見たんだって」

なにを?と聞くまでもなく、何を見たのかはわかった。

「何をしてたの?」 

言う必要があるのだろうか。

休日に私が誰と何をしていようが、私の勝手だ。

それを教える義務もないし、あなたたちに知ってほしくもない。

そう言えたらいいのだけど、その強さを無くしてしまった私の体はどんどん縮こまっていく。

「答えなさいよ」

あなたたちはどのような答えを求めてるの?

見間違いだよ。

私たちはたまたま会って少しだけ話をしていただけだよ。

それとも、デートに誘われたと、正直にはなす?

「あ、あれはただ、黒崎くんと一緒にいただけで」