「私ね、昔、ここで女の子と約束をしてるの」
「………」
「たぶん、ここなんだ。たぶんね」
私が曖昧に言うと彼は眉を寄せて笑った。
「幼稚園くらいのとき、この辺りで、またホタルを一緒に見ようねって」
「へぇ。覚えてるんだ」
また曖昧にうなずく。
「その女の子、多分だけど真衣さんだと思う」
私がいうと、彼は少し咳き込んで私を見た。
「この前の清掃のとき、毎年おじいちゃんとここに来てたって言ってたし。間違いないと思う」
「ふーん。そっか」
「なんか不思議だよね。またこうやって会えるって。もう二度と会えないって思ってたのに」
「運命、なんだろうな」
彼の呟きに、『え?』と聞き返す。
「そういう再会って、俺は運命だと思うけどな」
女の子同士で運命なんて何だか変な感じがする。
しかも、彼女はわたしのことを嫌っているし。
黒崎くんは、ずっと私を見ていた。
気づかないふりをしたけど、緊張してしまった。
やっぱり、ビクビクせずにはいられなかった。
1日黒崎くんと過ごした後だけど……。
どうしても人目が怖かった......。



