蛍の季節に、キミはまた会いに来る


〟昼休みすぐに図書室に来て〝

給食時間になっても登校していなかった黒崎くんから、突然届いたメッセージ。

指示通り、昼休みになったら図書室へ急いだ。

場所は指定されていたけど、図書室のどの場所とまでは言われていない。

だけど、なぜか足が駆け出した。

黒崎くんから連絡が来るのを心待ちにしていた?

ううん。そんなわけない。

私はただ、今の現状から抜け出したくて、明るく日が差す場所を見たかったのかもしれない。

彼が立つところはいつも光輝いているから。

図書室のドアを開けるとそこはとても静かだった。

誰もいない。

昼休み図書室を利用する人も減ってきたのかな。

図書室の埃っぽい絨毯(じゅうたん)の、鼻をつくような匂いが好きだ。

古い本の乾いた匂いも。

心が落ち着いて、嫌なことを忘れさせてくれる。

「気持ちいいよな」

私が、本棚と本棚の間を探していると、ふいに声がかかった。

私は驚くことなく、『そうだね』と短く返しながら、彼の姿を探す。

黒崎くんは、本棚を背もたれにして絨毯の上に座っていた。

窓から差し込む日差しで日向ぼっこをして、私を見上げる。

「お、似合ってんじゃん。制服」

そうだった。

今日からこの学校の制服を着て登校していたんだった。

膝丈の紺色のスカート。

制服だけは、やっとこの学校に馴染むことができた。

まだ着慣れないこの学校の制服姿を褒められ、落ち着かなくてこめかみをかく。

「今度の日曜日、予定ないだろ?」

わたしは誘導尋問のように、『う、うん』とかえす。

「デートしよう」

驚いて目を見開いた。