蛍の季節に、キミはまた会いに来る


夏休みの間だけここに遊びにきていて、明日、東京に帰らなければいけないって時だった。

その子の顔はぼんやりとしているけど、髪は肩につくぐらいの長さをギリギリふたつに結んでいたような気がする。

「なんか、思い出したかも……」

私が呟くと、黒崎くんは眉をあげた。

「この場所、私昔、ここで……」

「おい!なに二人でラブラブやってんだよ」

瀬戸くんの大声に私は言葉を区切って振り返った。

真衣さんと二人で大股でここに近づいてくる。

「ここにくるとやっぱり昔を思い出すよね~」

「………」

「あ~なんか前にも言ってたよな。小さい頃よくここにホタルを見に来てたって」

瀬戸くんの言葉に真衣さんは頷いた。

「私、おじいちゃんと見るのが楽しみだったの。今はもう亡くなったけど、おじいちゃんが元気な頃は毎年見に来てた」

え……?

おじいちゃんと見に来てたったって?

もしかして、私が約束をした女の子って……真衣さん?

「どうかした?」

真衣さんを見つめる私を見た黒崎くんが眉をあげる。